自動契約機

90年代に一世を風靡した無人契約機

消費者金融の店舗に入ったことのある人は、一体どんな気持ちで入店していったのか知りたいものですが、決して期待に胸を膨らませるといった感覚でなかったことは確かでしょう。

ある人は恥ずかしくて周りの目を気にしたでしょうし、年下の社員に審査を受けることに屈辱を感じた人もいたはずです。店舗内での審査では、まず入店する際の周りの目と、入店した後の審査という二重のハードルが待ち受けています。

しかも、審査で落とされた際の屈辱感は何ものにも代え難い心境になります。穴があったら入りたい、一刻も早くこの場を去りたいといった敗北感でもあるでしょう。

自動契約機を導入したアコム

そんな顧客の心中を察したのか、アコムは93年7月に自動契約機を導入します。もともとはテレビ会議システムをヒントにしたとされる契約機は「むじんくん」という名称で、東京新宿駅前と福岡博多駅前に導入されます。これが爆発的にヒットしたことは歴史の示す事実で、これまで消費者金融の店舗へ入るのを躊躇していた若者層が一斉に飛びついて利用者が増えていくことになります。

自動契約機とは、通常の店舗の半分以下のスペースの中に、契約機の端末と室内を監視するカメラが数台設置されています。店舗内に人が入れば自動的に入り口はロックされ、他の人は入れなくなります。

申し込み者は端末の支持に従って申し込みを進めていくわけですが、実際はモニタで社員にリアルタイムで監視されており、店舗での審査内容とほぼ同じことをしていることになります。しかし、そういった事実を知らないのか、それとも気分的に対面審査でないことで気が楽になるのかの理由で、自動契約機は広まっていくことになります。

自動契約機イメージ

追随する他の消費者金融

アコムが自動契約機を導入し、大ヒットしている状況を他の消費者金融が黙ってみているはずがありません。自由競争が資本主義の原則です。主要な消費者金融業者は続々と参入し、1995年には12社が900台の自動契約機を設置しています。以下は各消費者金融の自動契約機の名称です。

  • アコム0むじんくん
  • アイフル0お自動さん
  • プロミス0いらっしゃいまし〜ん
  • 武富士0¥en結び
  • レイク0ひとりででき太
  • 三洋信販0ポケットバンク
  • 日立信販0ひタッチくん
  • しんわ0あんしんくん
  • リッチ0まかしと機
  • アース0ザ・ガードマン

自動契約機の時代推移

変わりゆく時代の中で

一台1000万円という高価な自動契約機を次々と設置した消費者金融業者も、時代の移り変わりとともに自動契約機も衰退していくことになります。それまでインターネットは存在していたものの、技術が現在ほど発達しておらず、パソコンや携帯電話から融資の申し込みできるのは程遠かったのが現実です。

しかし、WEB技術の発達とともに、スマホやパソコンを使って申し込みが出来るに至っては、もはや自動契約機の役割は終わったといっても過言ではありません。そもそも自動契約機とは、対人面談方式の審査が嫌な人や出不精の人が飛びついたものであって、それが自宅から一歩も外に出ることなくスマホで申し込みえるとあっては、当然楽な方向に向かうのは当然のことです。

現在では、主要都市には無人契約機が設置されていますが、90年代にヒットしたときのような勢いはありませんし、今後も脚光を浴びることはないでしょう。